「結婚式は仮装イベント、結婚生活は現実」
7月だというのに毎日、毎日、曇り時々雨。
「海の日」も困惑顔。
こんな時には熱いお風呂に入って、さっさと就寝が一番です。
「遅くなってすみません」
息せき切って飛び込んできたNさん。
額の汗を拭きながらペコリ。
「まあまあ、ひと息入れてください。珈琲でいいかな?」
「紹介してくれたお友達も言ってましたが、きらら館は珈琲を出してくれるって本当だったんですねwww」
「どうぞ、遠慮なく。お代わりもOKよ」
相談内容は、「結婚式」についてです。
「現在、婚約中の彼がいるのですが、結婚式をするか、しないかで意見が合わずに揉めています」
「あなたはどっちなの?」
「わたしは人並みに結婚式を挙げたいのですが、彼はそんな無駄なことはやめて、親戚が集まってつましいお披露目会程度で済ませたいと言うのです。それに、わたしが独り娘ということもあって、父はどうしてもわたしの花嫁姿を見たいと…」
結婚式を挙げるべきか、挙げざるべきか。
占いにとっては「難問」です。
とりあえず、おふたりの生年月日をお伺いして鑑定開始。
おふたりの相性はぴったり。
性格は真逆で、堅実派で和を以って尊しとする彼に対して、行動派で何でもやってみようのNさん。
メロメロ度は断然、彼の方。
年齢はひとつ違いですが、精神的には彼の方が遥かにオトナ。
絶妙のバランスで時に、衝突はあっても、幸せな家庭が持てるカップルです。
「もう一度、ふたりで相談して、できれば彼のご両親を交えて話し合えば、きっと彼は折れてくれるはずよ」
「はい」
「でも結婚式と結婚生活は全然別よ。結婚式は仮装イベント、結婚生活は現実。あくまで結婚式は、ひとつの区切りです。いくら相性度は抜群で、毎日が夢のような生活だと思わないで、しっかりと彼に尽くしてくださいね。彼はそんなあなたに、しっかりと応えてくれるお人ですから…」
「はい。精一杯尽くします」