『女は度胸!』
猛暑に豪雨。
一体、日本列島はどうなっちゃったのでしょうか。
早く秋が来て欲しいものですwww。
丁度、予約のお客様がお帰りになった後、大きなお腹を抱えた女性。
「予約はしていないのですが、いいでしょうか」
「まあまあ、汗びっしょりで……早く風を入れて、くつろいでください」
冷たい麦茶をお出しします。
「ああ、美味しい。生き返りました」
「もうすぐ臨月?」
「はい、来月下旬の予定です」
「元気な赤ちゃんを産んでね」
「はい。ありがとうございます」
「で、今日はどんな?」
「実は、夫のことで…」
汗も引いたようなので珈琲をお出しします。
「勤務する会社から転勤命令が出て迷っています」
「転勤命令って…外国?」
「ベトナムです。新年早々の赴任予定です」
「迷っているのはご主人?」
「いえ、わたしです。主人は行く気満々で、一緒に行って欲しいと言うのですが、独りで行ってもらうつもりです」
「あなたもお勤めしてるの?」
「いえ。妊娠するまでは子供服のデザイン会社にお勤めしていたのですが、現在は専業主婦です」
おふたりの生年月日をお伺いして鑑定開始です。
「上から目線みたいな言い方で悪いけど、ズバリ、ご主人について行くべきです。今回のベトナムへ赴任はご主人にとって飛躍のチャンスだし、あなたにとっても新しい展望が開ける絶好のタイミングです。もちろん赤ちゃんの首が座ってからだけど、夫唱婦随。ご主人のためにも、あなたのためにも、ベトナムで親子3人、仲良く暮らすのがベストだと思います」
「でも、外国はどこへも行ったことないし、何となく怖くて…」
「鑑定では、あなた自身には来年から再来年にかけて、今までの生き方と違う2つの『変化★』が巡って来ます。来年の『変化★』はママになることだけど、再来年は思わぬ“吉事”に出会うと出ていますよ」
「何かしら?」
「デザイナーの仕事かも…。外国で今までの経験を活かしてベトナムならではの子供服をデザインするなんて素敵だと思うけどなあ」
「わたしに出来るかしら?」
態度に少し、変化が出てきました。
「これからの時代は、女は度胸よwww」
「先入観や思い込みだけで判断して、せっかくの『幸運★』を流れ星にしてしまうのはもったいないですよね。先生の鑑定をベースに今夜、主人と話し合ってみます」
「『人の世に道はひとつということはない。道は百も千も万もある』――よかったら、その結果をまた聞かせてくれる」
「はい。時間を都合して、主人も連れてきます」
さっきまでの思いつめた顔が別人のように明るくなってきました。
「今は何より、運動不足にならないよう気をつけて、元気な赤ちゃんを産むのよ」
「ありがとうございます」