『彼は“サラダドレッシング”⁉』
雨も上がって、いよいよ夏。
「暑いね」という言葉が挨拶代わりになる季節の到来です。
「せんせぇ~い」
入口あたりで声を聴くだけで泣いているのが分かる声がします。
社会人1年生のKさんです。
「どうしたの。せっかくの美人が台無しじゃない」
まだ泣きじゃくっています。
「さあさ、涙を拭いて。珈琲を淹れましたよ」
「やっぱり、彼にフラれちゃいました」
「失恋の1回や2回でくよくよしないのよ」
「きらら先生から『彼は、あなたにとって“サラダドレッシング”みたいな男。テーブルに置いている時は“澄みきっている”けど、少し振ると“濁ってくる”から深いお付き合いは止めた方がいいわよ』って言われたのに、それをわたしは…」
「人生いろいろ、男もいろいろ。今回の失恋も経験よ」
「生意気にも『わたしは、きらら先生の占いより、自分の目を信じます』なんて言って、ホントにバカでした」
「バカとか、利口とかではなくて、男と女の関係は、結局は『心が合う、合わない』の問題よ。恰好いいからとか、可愛いからとか、目に見えることだけで、上手くいくなら苦労はないでしょ」
「今回の失恋で自信喪失。男の人とお付き合いするのが怖くなりました」
「それは間違いだと思うけどなあ。気持ちが合わない人に合わせようとするから苦しいのであって、合う人とは、無理をしなくても合うもの。恋愛で一番、しんどいのは、何とか気に入られよう、嫌われないようにしようと背伸びすることよ」
「わたしと彼の愛称度数は68点でした。先生の点数が何点以上だったらよかったのですか?」
「わたしの経験では、きらら式相性度数が92点以上は◎、91~82点なら〇、82~73点なら△、73点以下は、まず×ね」
「わたしは×だったんですね」
「恋は盲目だもん、仕方ないわよ。今回のことを良い経験にして、次は幸せを掴めばいいのよ」
「でも、最初の頃の彼はとっても優しかったのになあ。男の人って、なぜあんな風に180度変われるんですかね」
「男心だけじゃなく、女心も秋の風。どっちも移ろいやすいものよ。今度は是非、82点以上の彼氏を見つけてくださいwww」
「がんばりま~す」
お化粧でグチャグチャになったKさんの顔に、ようやく笑顔が戻りました。