『仲良し姉妹に乾杯!』
春が終われば初夏。
♪卯の花の 匂う垣根に
ホトトギス 早も来鳴きて
忍音もらす 夏は来ぬ♪
小学生の頃によく歌った『夏は来ぬ』の1番の歌詞です。
でも、卯の花(うのはな)ってどんな花?
忍音(しのびね)って何?
「卯の花」は、ウツギの花で、「忍音」は、ホトトギスの鳴き声のことですって。
皆さんはご存知でした?
母の日の前日。午後6時。
まるでモデルさんみたいに可愛い女性2人が来店。
「インターネットを見て来ました。占いは初めてですが、いいですかぁ」
「どうぞ~。お入りください」
仲良く並んで着席。
「珈琲がいい? それとも紅茶かな?」
「あのう、わたしはそこのお水がいいんですけど…」
冷蔵庫の上の水素水のパックを指さしています。
「水素水、大好きなんです。珈琲がいいわよね、お姉ちゃんは」
姉妹のようです。
「わたしは、もう結婚しているのでいいんですが、お姉ちゃんの結婚時期について占って欲しいんです」
お姉ちゃん思いのチャキチャキの妹さんに、いかにもおっとりしたお姉さん。
ほほえましい姉妹です。
「じゃあ、お姉さまの結婚時期について鑑定しますね」
お姉さんより妹さんの方が、熱心にわたしの手許を見ています。
「いつですか、お姉ちゃんが結婚できるのは?」
「妹さん、心配無用ですよwww。――今年の11月か、12月。年末に運命の人に出会うでしょう。そして結婚は、来年の4月か、もしくは9月。お相手は3~4歳、年上の人です」
「お姉ちゃんは、ちょっとファザー・コンプレックスみたいだから、もう少し年上でもいいのになあwww。でも、お姉ちゃん、良かったね」
「あなたも赤ちゃんのこと観てもらったら…」
次に、妹さんのことを案じるお姉さんの“依頼”です。
「そうなんです。全然、妊娠する気配がないんです。お医者様に見てもらったところ、主人もわたしにも問題がないと言われたんですけど…」
「ちょっと待ってね。――大丈夫よ。妹さんには『子ども★』が2つあるんだけど、ひとつ目の『★』が輝くのは今年の暮れ。産まれるのは来年の8月か、9月かな。ひょっとしたらお姉さんの結婚と重なるかもね」
「わお~っ、すごいなあ!――占いって、そんなことまで分かるんですか。来年、産まれるのは男の子ですか、女の子ですか」
「分かるけど、それは今、言わない方が神秘的でいいんじゃないかな」
「そうよ。あなたは、そそっかしいんだから。妊娠が分かったら、また先生のところに来て教えてもらえばいいじゃないの」
お姉さんの“貫禄のひと言”に妹さんも納得です。
ご結婚に、ご出産。――爽やかなご姉妹に乾杯!