「笑う門にはかわいさ来たる」

10月もあと1週間。

秋の夜長をどうお過ごしですか。

たまにはパソコンの前を離れて普段、忙しくて読めなかった本を読んだり、クラシック音楽に耳を傾けるのはいかがでしょうか。

「きらら館」には東京をはじめ、全国各地からお客様が足を運んでくれます。
唯一、いなかったのが京都でしたが、先月、開館以来、はじめて京都の女性が、「きらら館」を訪ねてくれました。

「ごめんください」

「どうぞ。お入りください」

入って来たのは、モデルさんか、女優さんか、お人形さんか、と見間違うほどのスラリとした美しいお嬢さんです。

愁いを帯びた目は、特に魅力的です。

「今、珈琲を淹れるからね」

「うれしい。でも、珈琲を出してくれる占いは初めてです」

「珈琲タイムは、鑑定時間にはカウントしないので、ゆっくり飲んでね」

ひと息ついて、さあ鑑定開始です。

「わたし、いつになったら可愛い女性になれますか?」

真剣な目でわたしを見つめます。

「えっ!今でも十分すぎるほど可愛いのに、どうして?」

「わたし、自分のことを『可愛い』と思ったことがないのです。どこの占いに行っても『考えすぎよ』、『そんなにきれいなのに贅沢なことを言わないで』って、真面目に答えてくれないのです。『冷やかしに来たの』って追い出されたこともあります」

確かに、一見する限り、非の打ちどころのないほどの美人です。

「我思うゆえに我あり」――自分自身が、可愛いと思えないのですから、彼女の心の中では、やはり可愛くないのです。

う~ん。――時折見せる、翳のある表情が気になります。
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「気を悪くしないで聞いてね。今まで、心の底から笑ったことある?」

「もちろん、笑ったことはありますが、心の底からか、どうか…」

「あなた自身が、自分のことを可愛いと思えないのは、笑いが少ないのです。笑いなさい。周りの人が、おかしくなったんじゃない?と思うほど、お腹の底から笑ってみなさい。そうすれば、あなた自身が自分のことを可愛いと思えるようになるから…」

「笑い…ですか」

「そうよ。あなたに必要なのは笑いよ。笑うことで、脳にドーパミンというホルモンが分泌されて、心がポジティブになるし、ストレスも発散されるのよ」

「そうなんですか?」

「他には血のめぐりもよくなるし、集中力も増すし、何より心の持ち方が前向きになるんだから」

「そういえば、わたし、学生時代にダンスをやっていたのですが、先生からよく『もっと笑顔を見せて』って言われましたが、関係あるのですね」

「そうよ。『笑う門には福来る』――あなたが、自分のことを『可愛くない』と思うのは、あなたの心が、笑い欠乏症で『可愛くない』と思っているからなのよ」

「変な言い方だけど、おかしくなくても笑って、笑って、しわなんか気にしないで、いっぱい笑うことよ。――きっと自分のことを再認識するはずだから」

「はい。いっぱい笑うように努力してみます(笑)」

初めての京都の人。――思い出に残ること間違いなしの、実にユニークな鑑定でした。

きらら(10/24)