「“ゴースト人事部長”!」

Fotolia_74571258_Subscription_Monthly_M (1)今年の冬は日中と朝晩の寒暖の差が大きい日が多いとか。
昼間は暖かくても油断は禁物!
風邪を引かないよう気を付けてください。

いつもはラフな格好のSさんが、今日はビシッと決めた背広姿でお見えになりました。

きらら「どうしたんですか、今日は? いつもと別人の出で立ちで」

Sさん「こんばんは。所用があって、渋谷まで来たのでちょっと顔を出しました」

Sさんは、有名広告代理店を中途退職して独立。
現在は小粒ながら業界でも「いい仕事をする」と評判の代理店を経営するバリバリのやり手社長です。

Sさんが、初めて「きらら館」にお見えになったのは4年前です。
履歴書の束を封筒から取り出して、

Sさん「急なお願いで申し訳ありませんが、明日までに、この12名のなかで僕とフィーリングが合いそうな人物を3名ピックアップして欲しいのですが…」

きらら「この方たちは?」

Sさん「来年のウチの入社希望者です。面接を終えて12名に絞ったのですが、能力的には甲乙つけがたい方ばかりで迷っています。独立したばかりの小さい所帯で、営業から経理までひとりでやらなければいけないのですが、時間がなくて…。かくなるうえはと、ネットで占い鑑定所を検索、直感で『きらら館』に頼もうと決めて参上した次第です。どうか当社の“人事部長”になったつもりでお願いします」

わたしも独立直後の忙しさは経験があります。
こうも真剣な顔で三拝九拝されているのに断っては、『きらら館』の名に傷がつきます。
しかも、『きらら館』のHPを見て、直感で足を運んでくれたとあっては大感激。二重に断るわけにはいきません。

Sさん「分かりました。身に余る “大役”ですが、わたしで良ければお引き受けいたします」

その日は、食事もそこそこに、ほぼ徹夜で鑑定。
約束の翌日までに全員を念入りに鑑定、Sさんと相性ピッタリの3名を選びました。

わたしが選んだ方々の入社後の勤務態度が良かったのでしょう、次の年もSさんは履歴書を持参。以後、不肖・きららが“特命・臨時人事部長”を拝命するのが恒例になりました。

きらら「わたしが鑑定させて戴いた方々は、みんな頑張ってますか?」

1年目の3人を初め、昨年までに9人。
履歴書の写真だけで、実際にお目にかかっていない方たちばかりですが、入社後のことはやはり気になります。

Sさん「最初の年に鑑定して戴いた3人のうち、きらら先生のイチオシだったAは鑑定通りのナイスガイで、ツーと言えばカーと返って来る、わたしの片腕的存在ですし、あとの2人もAと遜色ない優秀な幹部社員に成長、全員が役付きです」

きらら「それは良かったわ(´▽`) !」

Sさん「今や、ウチの会社では、半分以上がきらら先生の鑑定で入社した社員ですよ」

きらら「でも、誰ひとりとして会ったことがないし、今度Sさんの会社にこっそりと顔を見に行ってみようかしら?(笑)」

Sさん「勘弁してください(笑)。――ネタがバレてしまっては、業界でも神話になりつつある?僕の“新入社員鑑定眼”が“ゴースト人事部長”のお助けあってのものと知られちゃうじゃないですか(笑)」

きらら「冗談、冗談(笑)!――『やはり野に置け きらら草』よね(笑)」

Sさん「来年も“臨時人事部長”をお願いします」

きらら「OK!Sさんのためなら、徹夜も厭いませんから…(笑)」

きらら(12/14)