「死んで花実が咲くものか」-2-

17122689438_4c56cfe87bコンピューターの日進月歩の発達は、目を見張るものがあります。
しかし、「便利になった」と喜んでばかりもいられません。
なぜならば、コンピューターは、人間の仕事を片っ端から奪っていく“非情”な面を持っているからです。
そう遠くない時期に、ターミネーターやロボコップのような“知能”を持ったロボットが普通に活躍する時代が到来するのではないでしょうか。
次代を生きる若い人たちには、ロボットが逆立ちしても出来ないスキルの修得を願って止みません。

さて、前回の続きです。

Sさんがお見えになって2ヶ月。
「10月には大きなビジネスチャンスが来ます」と“断言”した手前、何かと気になっていました。

11月初め、案じていたSさんがお見えになりました。
この前とは別人のような生き生きした表情です。

Sさん「ご無沙汰です。早くご報告と思いつつ遅くなりました」

きらら「『どうしているかな?』って思っていたのよ。お元気そうで何よりです」

Sさん「先生、怖いくらいにバッチリでした!――10月に入って、先生の鑑定通り、今までで2番目に大きな金額の商談が入って来たんです。8月にお聞きした時には、正直なところ半信半疑だったんですが、ここまで図星だなんて脱帽です。命ばかりか、仕事のことまで助けて貰って、何と御礼を言っていいか、感謝の言葉もありません」

きらら「良かったわね。でも感謝するのなら、わたしより、奥様に感謝しなくちゃ。ちゃんとお墓参りに行きましたか?」

Sさん「あっ、まだです!」

きらら「だめじゃない(笑)。わたしの占いが当ったのも、天国の奥様の後押しがあったからなんですよ。――感謝、感謝。何事も感謝ですよ」

Sさん「そうですね。早速、帰りにお墓参りに行ってきます」

きらら「今だから言えるけど、あの時のSさんの顔ったら、本当に自殺しそうだったんだもの。わたしだって必死だったわよ(笑)」

Sさん「その節は、ご迷惑を御掛けしました(笑)。――ホントに『死んで花実が咲くものか』ですね。もしあの時、階下の『きらら館』の看板が目に入らなかったら、今頃どうなっていたのか…?」

きらら「『縁は異なもの~』――それも御縁です。これからも縁を大切に、奥様からお呼びが掛かる日まで頑張ってくださいよ(笑)」

Sさん「はい。本当にありがとうございました。きらら先生には、当社の社外顧問になって貰いたいとさえ思っています」

きらら「その社外ナントカなんてとんでもありません。そのお言葉だけで十分ですよ。また何か、迷ったことがあったら顔を見せてください」

Sさんは、まだ何か言いたそうです。

Sさん「あのう、前回、きらら先生は『来年の8月頃に、再婚☆が出ている』と仰いましたが…」

きらら「出てるわよ、大きな☆が…」

Sさん「今のところ、再婚の気持ちはまったくありませんが、もしそういう女性が現われたら、その節もまた、色々とアドバイスをお願いします」

きらら「はい。遠慮しないでお越しくださいな(笑)」

あの日から、年に4回、季節の変わり目頃に、Sさんは再婚した奥様と一緒に、「きらら館」に顔を見せてくれています。

今年も、そろそろお見えになる頃です。

きらら(8/23)

photo credit: via photopin (license)

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