「Hちゃん、13歳の疑問」-②-

残暑お見舞い申し上げます

2015年8月盛夏
きらら館・スタッフ一同

本当に暑い毎日。
とにもかくにも健康が一番です。
夜更かしと寝冷えは禁物。
体調管理には十分気をつけてください。

さて、前回の続きです。

18648672473_839c99d829横で聞いているWさんが頻りに頷いています。

Wさん「娘が、こんな風に真剣な眼差しで相手と会話する姿を見たことは、恥ずかしながら、今まで一度も見たことはありません(笑)」

Hちゃん「だって、お母さんは、いつも顔を見たらガミガミ言うばっかりだし、お父さんも真剣に答えてくれないし…」

きらら「でもね、Hちゃん。お母さんだって言いたくて言ってるんじゃなくて、心の中では、将来のHちゃんのためを思って言ってくれてるのよ」

Hちゃん「それは分かってるんだけど、いつもいつも同じことをクドクド言われるとウザイ!って思ってしまうんです。きらら先生みたいに分かり易く言ってくれれば、わたしだって素直になれるのに…」

いつの時代も親の思いは子どもに伝わらないもの。
偉そうに言っているわたしも自分自身の子育てを顧みれば、耳が痛いHちゃんの言葉です(笑)

Hちゃん「先生の今の言葉で、お勉強がジグゾーパズルのピースということは分かりました。わたしもこれからピースを一杯、集めたいと思います」

きらら「そうよ、その意気。とにかく高校を卒業するまでは、好き嫌いなく、できるだけ多くのピースを集めること。そして、大学生になったら、その集めたピースの中から、自分の描きたい絵に必要なピースを取り出して、一枚の絵を描くのよ。ピースがたくさんあれば、色んな絵が描けるし、夢を実現する可能性も拡がると思うんだけど…」

Hちゃん「はい!」

凛としたHちゃんの言葉に、Wさんも満足そうです。

きらら「でも、人生にはもうひとつ大切なものがあるのよ。今のHちゃんには、ちょっと難しいかもしれないけど、それが『ご縁』よ」

Hちゃん「『ご縁」?」

きらら「簡単に言うと、人と人の廻り合わせのことなんだけど、そうねえ、集めたピースを填め込む“台紙”のことが『ご縁』かな。――もし“台紙”がしっかりしていなかったら、ピースもバラバラになっちゃうし、せっかくの絵も台無しになっちゃうでしょ」

Hちゃん「その“台紙”は誰が作ってくれるの?」

きらら「ピース集めはひとりでも出来るけど、台紙はHちゃんの回りの人、つまりHちゃんと『ご縁』のある人たちが作ってくれるのよ」

Hちゃん「ということは、わたしのジグゾーパズルにぴったりの良い台紙を作ってもらうためには、『良いご縁』が必要なんですね」

きらら「そう。だから、いくらたくさんのピースを集めても、填め込む台紙が悪いばっかりにつまらない絵になったり、反対に少ないピースでも、台紙がしっかりしていることで素晴らしい絵になったり…」

Hちゃん「でも、『ご縁』は目に見えないし、『良いご縁』を持つためには、どうすればいいんですか?」

きらら「一般には、それを『運』という言葉で表わすけど、わたしの経験によれば、『良いご縁』を得る秘訣は、『周囲の人に対する感謝』と『不断の努力』だと思ってるんだけど…」

Hちゃん「わたしには難しい気がするけど、何となく分かるような気がします。でも今は、とにかく一生懸命、ピース集めに頑張ります(笑)」

きらら「『常に感謝の気持ちを忘れず、一心不乱に勉強する』――そんなHちゃんには、嫌と言っても(笑)必ず『良いご縁』が集まってくると思うわよ。今の気持ちを忘れないで、勉強に励んでくださいね」

Hちゃん「お母さん。初対面でも、きらら先生はわたしの気持ちに同じ目線でキチンと答えてくれたのよ。お母さんも、きらら先生を見習って!(笑)」

Wさん「はい、はい(笑)。分かりましたよ!――きらら先生、今日は本当にありがとうございました。帰ったら早速、母にも報告したいと思います」

きらら「お母様には、暑いですから呉々もご自愛下さる様、宜しくお伝えください」

少しはHちゃんの背中を押すことが出来たかな?

きらら(8/9)

photo credit: 山‧少女 via photopin (license)