「良い不倫、悪い不倫」

Fotolia_82688618_Subscription_Monthly_M残念ながら今年は天の川の見えない七夕さまでした。
会えなかった織姫さまと彦星さまは、来年は今年の分まで燃えるに違いありません。

さて、このところ多いのが「不倫」に関する相談です。
ほとんどの場合、女性の方からですが、先月、お見えになったAさんのように、男性の方からの相談も少なくありません。

Aさん「離婚して人生をリセットした方がいいのか、それとも彼女(Bさん)と別れて、妻ともう一度やり直した方がいいのか。考えれば考えるほど頭がこんがらがってしまって…。どうかよろしくお願いします」

Aさんは40年代前半。結婚して15年。妻は専業主婦で、中学生のお子さんがひとりの3人家族。勤務する大手金融機関では、かなりの出世コースに乗っており、Aさんによれば「今のまま波風立てずに行けば、役員の席はまず間違いないだろう」との由。

まず、Aさんと奥様、そしてBさんの生年月日をお聞きして、鑑定させて戴きました。

きらら「言葉を飾らず言いますね。奥様との相性は、よくぞ今まで夫婦を続けて来られたと、感心するほど最凶です。それに引き換え、Bさんとは反対に、これ以上ない最高の相性ですよ」

Aさん「う~ん。そうですか」

きらら「奥様とは職場結婚?」

Aさん「そうなんですが、恋愛結婚というより、当時の支店長の強い勧めで、別の支店に勤務していた妻を紹介され…半ば“強制的なお見合い結婚”のようなものです(苦笑)」

きらら「でも、これまで15年も大過なく結婚生活を送って来られたのに、なぜ離婚を考えるようになったのですか? Bさんと知り合ってからですか?」

Aさん「違います。彼女と知り合ったのは、半年ぐらい前ですが、離婚云々は、それ以前、2年前から考えていました」

Bさんの存在が原因でないとすれば、奥様に問題が?

Aさん「お恥ずかしい話ですが、実は…」

珈琲をひと口飲んだAさん。意を決したかのように口を開きました。

Aさん「妻が、ひょんなことから結婚を強く勧めてくれた支店長の愛人だったことが分かったからです」

きらら「……」

Aさん「当時のわたしは、女性との交際経験もほとんどなく、そちらの方面では奥手も奥手。恋人どころか、支店の女性以外とは話をしたこともありませんでした。そんなわたしを見るに見かねた支店長が、てっきり親心で今の妻を紹介してくれたのだと感謝していたのですが、それがなんと…(涙)」

長い占い師人生でも初めての相談内容です。

Aさん「その時から妻に対する信頼は崩壊。会話も帰宅拒否症みたいになってしまい、毎晩、最終電車で帰るようになりました」

きらら「そのことを奥様に問い詰めたの?」

Aさん「いえ。ショックが大きすぎて…。それ以後、家庭でも子どもが居る時だけは出来るだけ普通に話をしていますが、ふたりだけの会話はほとんどありませんし、もちろん夫婦生活も一回もありません」

占いでは最凶とされる相性のご夫婦でも、多少の波風はあっても、大過なく結婚生活を送っている方たちも一杯いらっしゃいます。
しかし、ここまで固い仮面を被った夫婦の場合、どう回答すべきか? (以下次号)

きらら(7/12)