「もうすぐ春ですよ!」
『あたたかな 雨が降るなり 枯れ葎』(正岡子規)
ひと雨ごとに春の到来を実感する毎日です。
Fさんがお見えになったのは、次の予約のお客様までの間、最近はまっている俳句に頭をひねっている時です。
Fさん「あのう、予約していませんが、いいですか?」
きらら「はい、どうぞ。お入りください。風が冷たいでしょ」
どこか思い詰めた表情です。
Fさん「あったか~い!」
きらら「そんなに固くならずに、リラックスしてね」
Fさん「はい」
きらら「良かったら珈琲、飲む?」
Fさん「珈琲、大好きです。戴きます」
珈琲を飲んで、少し落ち着きが出てきたようです。
Fさん「あのう…わたし、いつ頃、彼氏ができますか? 今日はそれだけ、それだけを占ってください」
きらら「鑑定する前に、まずお聞きしますね。今まで、男の人とお付き合いしたことはあるの?」
Fさん「全然ありません。上京してもうすぐ2年になりますが、彼が出来ないんです。誰からも告白されないし、わたしから交際を申し込んだこともありません。会社とか週に1回通っている書道クラブなどの男の人たちとは普通に話をするのですが、なぜか友人止まりで、それ以上に発展しないのです。わたしに女性としての魅力がないのか、自分では気が付かない男の人を寄せつけない変なオーラを発しているのか。周りの人は、みんな彼氏とどこそこへ食事に行ったとか、旅行に行ったとか、楽しそうに話をしているのを見聞きする度に自分自身が嫌になってしまいます」
生年月日をお伺いして鑑定させて戴きました。
Fさんは、すがるような目でわたしの手許を見ています。
Fさん「先生、どうですか?」
きらら「大丈夫よ!――今年のあなたには、ふたつの恋愛☆が巡って来ます。ひとりは5月頃に、もうひとりは7月頃に、あなたに交際を申し込んでくるはずです」
Fさん「そんなに早くですか、それもふたりもですか?」
きらら「5月の男性は結構、イケメンだし、人柄も悪くないんだけど、その人とは残念ながらお付き合いしても旨くいかないと出ています」
Fさん「えっ?」
きらら「わたしは断然、7月に現われる方をお奨めします。真面目で、優しい性格だし、包容力もあるし、あなたの我儘にも(笑)末長く付き合ってくれる方だから…(笑)」
Fさん「わたしが我儘だということまで(笑)判るんですか?」
きらら「『もうすぐ春ですよ!』――自信を持って7月に現われる“彼氏”をお待ちください。でも、ボンヤリしてないでその日まで、しっかり自分に磨きをかけるのよ!(笑)」
Fさん「はい、分かりました。きらら先生の言葉を楽しみに、その日まで頑張ります!」
きらら(3/1)