「自分を信じて鉄は熱いうちに打つべし!」

秋、真っ只中の10月某日、長きにわたって博物館の館長をされていたTさんが、お孫さんのJさんに手を引かれてお見えになりました。

きらら「あら、T先生。お久しぶりです。もうお身体の方は大丈夫なのですか?」

Tさん「ほれ、この通り。お蔭さまで、すっかり良くなりましたよ(笑)。お礼の言葉が遅くなりましたが、入院中のお見舞いありがとうございました」

きらら「『無事是名馬也』――先生には、世の中のために、長生きして貰わなくちゃいけないんですから、あんまり無理をしないでくださいよ」

Tさん「もう大丈夫。退院後は、しっかり散歩もしているし、先日は家族一同、久しぶりに伊豆のA温泉に行ってきました」

きらら「A温泉ですか。――私も何度か行ったことがありますが、お食事も美味しいし、何より眼の下に海が広がる素敵な温泉ですよね」

Tさん「ところで、今日はこのJのことで、きらら先生にご相談しようと思って…」

Jさん「初めまして。よろしくお願いします」

白い歯と笑窪が印象的な可愛いお嬢さんです。

きらら「こちらこそ。――Jさんは高校生?」

Jさん「はい。現在2年生です。――今日は、将来の進路について先日、両親に『高校を卒業したらドイツの大学に進学したい』って言ったら、父は渋々ながら賛成してくれたのですが、母は『ひとり娘なのにドイツへ行くなんてとんでもありません!』と猛反対なんです。何とか説得する方法はないかと、お爺ちゃんに相談したら『賛成だ』と口では言うのですが、何となく及び腰(笑)で、家族会議の結果、『じゃあ、きらら先生にも相談してみよう』っていうことになってお邪魔したわけです」

きらら「あらまあ、責任重大だわね(笑)――実は、さっきお母様から『後ほど、お爺ちゃんとJが、きらら先生のところへ行って来るって出掛けたけど、絶対に反対して下さい』って電話があったのよ(笑)」

Jさん「うわっ、ズルイなあ!(笑)――でも先生、母の“インサイダー電話”なんかに惑わされないで、厳正に鑑定してください。その結果に、私自身が納得できたら留学は延期するか、諦めようと思っていますから」

きらら「分かりました。お母様とは古いお付き合いだけど“大人の都合”を抜きに鑑定しますね(笑)」

まずは四柱推命で、次にタロットで、続いて気学で、そしてJさんのリクエストに応えてバード占いと、入念に鑑定させて戴きました。

Jさん「どうでした、先生?」

きらら「お母様には申し訳ないけど(笑)――賛成、それも◎つきの大賛成です」

Jさん「わあ、嬉しい!――やった~!」

きらら「まず、Jさんにとって2016年から2020年にかけては、大きな変化の時期で、それも環境を変えれば将来のために大きく伸びる“黄金の5年間”です。専攻分野も申し分なし。――『鉄は熱いうちに打て』――自信を持ってしっかり勉強してくださいね」

Jさん「本当ですか!――今日は、本当に来て良かった~!――先生、ありがとう!おじいちゃん、ありがとう!」

Tさん「いやはや、僕よりきらら先生の方が、ずっと説得力があるんだから…(笑) お母さんの説得もきらら先生にお願いしたら…」

Jさん「そうだよね。私やおじいちゃんが言うと、また反対するかもしれないから、きらら先生にお願いしようかな(笑)」

目下、Jさんはドイツの大学を目指して猛勉強中だそうです。

きらら(11/3)

Photo by hageatama