「私の役目は少しだけ“背中を押す”こと」

Autumn leaf color朝夕はもう晩秋の気配です。

Dさん「寒くなりました。こんばんはで~す」

そろそろお終いにしようと思っていたところへ、Dさんが足取りも軽やかに飛びこんで来ました。
Dさんは、私よりふた回り下のファッション・デザイナーで、かれこれ10年近いお付き合いです。

きらら「お久し振り。どうしたの? 随分とうれしそうじゃない?」

Dさん「今日は良いことがあったから、一番にきらら先生に報告しようと思って…」

きらら「何なの、良いことって?」

Dさん「夏頃に観て戴いた時、きらら先生さんが『9月に仕事の面で良いことがあるわよ』って自信たっぷりに言われたのですが(フフフ)、それが見ドンピシャだったんです!」

きらら「ヘ~ッ! 勿体ぶらないで言いなさいよ(笑)」

Dさん「ジャーン!――A社のコンペで私のデザインした制服が採用されたのです」

きらら「それはそれは、おめでとうございます!」

Dさん「正直なところ自信はなかったんだけど、内心では、きらら先生の占いを頼りに、ひょっとしたら採用されるのでは?と期待していたんです。そうしたら…。占いのお蔭です。本当にありがとうございました」

きらら「そう言ってくれるのは嬉しいけど、占いのお蔭というより、占いを“味方”にして、あなたが一生懸命、努力した結果であって、強いて言えば私は、あなたの背中を少しだけ押しただけよ」

Dさん「でもね、『背中を押す』って、きらら先生はいつも謙遜して言うけど、目に見えるものじゃないし、それだけに特にコンペなんかの時は、パワーを貰えるというか、すごく“心の支え”になるんです」

きらら「そんなにゴマをすっても、出るのは珈琲ぐらいよ(笑)」

Dさん「あれは何年前かしら、私がデザイナーとしての仕事に自信を失くしていた時に観てもらったのが、きらら先生との出会いでした」

きらら「そうねえ、あれはTホテルのイベントだったかしら?」

Dさん「そうです。今でもはっきり覚えています。あの時はすべてに自信がなくなって、『今の仕事に見切りをつけて生まれ故郷に帰りたいのですが~』って相談したら、きらら先生は『現在のお仕事は、あなたにとって天職です。挫けちゃダメ。今は辛くても、来年の今頃に大きな花が咲くから、もう少し頑張ってみては?』って言ってくれたのですが、何か、迷いがス~ッと消えたみたいで、そうしたら翌年、私の作品が初めてファッションショーに採用されて…」

きらら「そうだったわね」

Dさん「私の今日があるのも、あの時のきらら先生の『ひと言』があればこそと、本当に感謝しています」

きらら「そんな改まって言われると、何だか背中がムズムズするから止めて~(笑)」

Dさん「今でも、壁にぶつかりそうになった時は、あの時の『好きなお仕事に一生懸命打ち込めることほど幸せなことはないわよ』というきらら先生の言葉を思い返しています」

きらら「勝って兜の緒を締めて、これからも頑張ってよ」

Dさん「近いうちに、私がデザインしたドレスをプレゼントしますから、楽しみにしていて下さいね」

きらら「嬉しいなあ。 待ってま~す(笑)」

きらら(10/20)