「きらら式“秘密の子育て法”は論語」

論語Uさんは、『きらら館占い教室』の卒業生のひとりです。
毎週、遥々小田原から通って6ヶ月。
持ち前のセンスの良さと不断の努力でメキメキ腕を上げ、現在は熱海市内の温泉ホテルで常設コーナーを持つほどの人気占い師です。

そのUさんが、久し振りに上京。顔を見せてくれました。
いつもは明るい声で「こんにちは~!」って入って来るのに、今日はいつもの溌剌さはありません。

Uさん「ご無沙汰しています。先生もお変わりないようで何よりです」

きらら「久し振りね。頑張ってる? ご家族もみんなお元気?」

Uさん「お蔭さまで家族ともども元気にしています」

きらら「A君はもう何年生になったの?」

Uさん「早いもので小学校3年生です」

きらら「あなたが背中におぶって教室に通ってた頃は、まだヨチヨチ歩きだったのに。ホント、月日が経つのは早いわねえ。道理で年齢を取るのも無理はないわね(笑)」

Uさん「実は、今日お邪魔したのは、そのAのことなんですが…」

きらら「どうかしたの、A君?」

Uさん「最近、ゲームにばかり熱中して全然、勉強しないんです。2年生までは自慢の息子だったのに、まるで別人になってしまって。ちょっと注意すると、生意気にも『僕には僕の生き方がある』なんて一人前に理屈を言うんですよ。夫は『お前がしっかりしないからだ』って知らんぷりだし、もう子育てに自信がなくなってしまって、どうしたら良いか分からなくなりました。 是非、“子育て名人”のきらら先生のアドバイスを戴きたいと思って…」

きらら「私が“子育て名人”? 」

Uさん「だって、先生がお子さんのことをお話になる時は、いつも楽しそうだったし、教室に通っている時の同窓生の間では、それが“定説”になっていました」

きらら「そうなんだ(笑)。光栄な“定説”だけど、別に特別な育て方をしたとは思ってないけど、そうねえ、強いて自慢(?)できることといえば、幼稚園までは寝る前に必ず童話を読み聞かせたことと、小学校に入ってからは、夕食後にテレビを消して毎日1時間、論語を一緒に音読したことぐらいかしら?」

Uさん「論語ですか、孔子の教えだという?」

きらら「そう、論語よ。主人が『意味は分からなくていい。今、音読することが将来、必ず血となり肉となるから読ませろ』って言うものだから…。私も根が素直だし(笑)それを真に受けて毎日、一緒に読んだわよ。最初はチンプンカンプンだったけど、何となく自信がついてくるから不思議だったわ。今でも子どもたちは、何か壁にぶつかった時は、当時の本を引っぱり出してきて読んでるみたいよ」

Uさん「凄いなあ!――そんな“秘密の子育て法”こそ、占い教室で教えてくれればよかったのに(笑)――ウチの息子の場合、童話はもう手遅れだから、明日から息子と論語を読んでみようかしら?」

きらら「当時は、今と違ってゲーム機やスマホはなかったし…。 でも、時代は変わっても、学問に対する姿勢を習慣づけるには、ひとつのことをトコトンやり遂げるというのは大切だと思うわよ。あなたがびっくりするほど早く、難解な四柱推命をマスターできたのも、その『トコトン』という気持ちを継続することが出来たからじゃないかしら」

Uさん「そうですよね。――よし!明日からと言わず、今日から息子と正面から向き合って、論語に取り組んでみます」

きらら「別に論語じゃなくても、たとえば外国語でもいいし、とにかく時間の許す限り、あなたも一緒に学ぶっていう姿勢を見せなくちゃ。お母さんと一緒に勉強するって、子どもにとっては、親が思う以上に嬉しいことのような気がするわ」

Uさん「何か、眼からウロコが落ちたような気がします。先生、どうもありがとうございました」

きらら(10/6)

Photo By Bjoertvedt via Wikimedia Commons