「幸せは『は・ひ・ふ・へ・ほ』に在り」
「ホント、寒いわねえ。きららさん、元気? 明けましておめでとう。今年も宜しくね」
大きなシクラメンの鉢植えを抱えたNさんが、久し振りに顔を見せてくれました。
きらら「明けましておめでとうございます。こちらこそ宜しくお願いします」
都内でブティックを経営しているNさんは、今年で?回目の年女。仕事ひと筋で、独身を貫いたバリバリのスーパー・ウーマンです。
Nさんとは、某ホテルのイベントで知り合って以来のお付き合いで、かれこれ10年ほど。今は、お客様というより、年の離れた?姉妹のような関係です。
この日も、今年の健康運を占った後は、いつものように“姉妹”のような会話で終始しました。
Nさん「ねえ、ねえ。この年になって人生を振り返るとアッという間ね。ガムシャラに頑張って来たけど、何だか虚しいわねえ。当時はそれなりに充実感もあったのに、今となっては、あれは何だったのかしらね?――それにあっちが痛い、こっちが痛いと身体はガタガタになるし、記憶力なんか全然ダメ。若い時のことはしっかりと覚えてるのに、今では昨日のことも覚えられないもの。特に人の名前なんか咄嗟に出て来ないし、嫌になっちゃうわよ」
きらら「Nさんばかりじゃないわよ。お互い様です(笑)」
Nさん「でもさあ、幸せって何なのかしらね?」
きらら「人生いろいろ、幸せもいろいろ。100人いれば夫々“100の幸せ”がある。たとえば同じ食事でも、ある人にとっては美味しいかもしれないけど、別の人にとっては不味いと思うように、人によって“幸せの中味”って違うんじゃないかしら?」
Nさん「だけどさあ、どの『幸せ』にも共通する要素ってあるんじゃないかしら?――『きらら館』には“幸せ探し”の方も来るでしょ。そんな時、きららさんは、どんなアドバイスをしてるの?」
きらら「以前に読んだ本に書いてあったんだけど、私は<は・ひ・ふ・へ・ほ>こそ、すべての幸せに共通する要素と思ってるんだけど…」
Nさん「何、何? その<は・ひ・ふ・へ・ほ>の法則って?」
きらら「『は』は半分だけ、『ひ』は人並みに、『ふ』は普通に、『へ』は平凡に、『ほ』は程々に――という意味なんだけど、要するに何事も背伸びをせず、無理をしない身の丈に合った生き方こそが、本当の幸せだと思うの」
Nさん「う~ん。なるほどね。意外だけど、きららさんって“哲学者”ね。それとも歳の功かしら?(笑)」
きらら「『意外だけど』と『歳の功』は余計よ(笑)」
Nさん「よしっ。今日から、私も<は・ひ・ふ・へ・ほ>の精神で行くわよ(笑)。ああ、何だか、気持ちが軽くなってきたわ」
きらら(1/20)