「アハハ!フフフ!ニンマリ!」

「先生、この本、すっごい面白いわよ。私はもう読んだから、良かったらプレゼントするわ」

先月末、お馴染みさんのTさんから、3冊の本を戴きました。

本のタイトルは
『シルバー川柳 誕生日 ローソク吹いて 立ちくらみ』
『シルバー川柳2 アーンして むかしラブラブ いま介護』
『シルバー川柳3 来世も 一緒になろうと 犬に言い』
――いずれもポプラ社刊で、「全国有料老人ホーム協会」と「ポプラ社編集部」の編集によるものです。

“本の虫”を自認するTさんが「絶対に面白い」というからには、「さぞかし」と期待に胸を膨らませてページを繰りました。

120ページと薄いうえ、大きな字で1ページに1句の川柳。――アハハ!フフフ!ニンマリ!――あまりの面白さに、瞬く間に3冊全部を“読破”してしまいました。

私自身にも思い当たることを詠んだ作品が少なからずあったのは、少しばかり寂しい気がしないでもありませんが(笑)、いやあ、Tさんのご託宣通り、実に面白い本でした。

僭越ながら、私が選んだ秀作を1冊につき5句づつ選んでみました。

老人まず、1冊目から…。

『改札を 通れずよく見りゃ 診察券』
『誕生日 ローソク吹いて たちくらみ』
『老いの恋 惚れる惚けるも 同じ文字』
『名が出ない あれ、これ、それで 用を足す』
『妖精と 呼ばれた妻が 妖怪に』

いいですねぇ。

次に2冊目から…。

『定年で 田舎戻れば まだ若手』
『漢字でず 辞書を引けども 目がみえず』
『手遅れの 人で込み合う 美人の湯』
『お釣りだけ 確かめ品物 置いて来る』
『動かない エレベーターや 押し忘れ』

心当たりがありすぎです。

そして3冊目から…。

『先寝るぞ 安らかにねと 返す妻』
『寝て練った 良い句だったが 朝忘れ』
『混浴は 足湯だったと 友ぼやき』
『しわふえて 生命線も 手首まで』
『後ろ前 笑うお前は 裏返し』

アハハ、フフフ、ニンマリでしょ!!

きらら(10/7)