「終着駅は始発駅」

夕日から朝日「♪♪背中を合わせて あばよと言えば~♪♪」――歌謡界の大御所・北島三郎さんの
ヒット曲のひとつ、『終着駅は始発駅』の冒頭の一節です。

私自身、モダンダンスには少しばかり自信があるのですが、恥ずかしながら歌を歌うのはまったくの苦手。たまにお友達とカラオケに行っても専ら聞き役で、辛うじて『瀬戸の花嫁』と『信濃の国』を口ずさむのが関の山です(笑)。

そんな歌謡曲オンチ、“聞き役専門”の私が、最も気に入っている曲が、冒頭の『終着駅は始発駅』です。

まず、何よりタイトルが秀逸です。ズシーンと心に響きます。

「終着駅は始発駅」――座右の銘にしたくなるような、ストレートなタイトルは、失恋、失業など、大切なものを失って途方に暮れている人たちを激励する言葉として、これ以上、力強い言葉はありません。

恋愛、仕事に限らず、物事には必ず「始まり」と「終わり」があります。

「始まり」には、新鮮で、心躍るものがあります。
「終わり」には、どうしても寂しくて、悲しいイメージがあります。

しかし、よくよく考えれば、終わりは、そこですべてが終ってしまうわけではなく、新しい何かが始まるスタート地点でもあるわけです。

だから、いつまでも終ってしまったことに拘泥、絶望するのではなく、「さあ、これから新しいことが始まるんだ」と、いち早く気持ちを切り替えて、新しいことにチャレンジすればいいのです。

「♪♪希望を捨てるな 生きてる限り どこからだって出直せる」

そのことは3番の歌詞にしっかりと書かれています。

「Don’t mind!!」、「Don’t worry」――まさに、この曲は、単に愛し合った男と女の悲しい別れを歌ったものではなく、挫折した人たちを励ます“人生の応援歌”だと、私は思っています。

きらら(9/16)