「潮風の効用」

我が国の人口の20%に該たる2600万人が70歳以上とか。

つまり5人に1人が、おじいさんとおばあさん。

うひゃー!

今日のお客さまは「20%のひとり」Wさんです。

「こんにちは。お元気ですか?後期高齢者のWです」

いつもの口癖です。

Wさんが初めて「きらら館」にお見えになったのは、10年ほど前。
喘息気味のお孫さんの相談でした。

聞けば、「あちこちの病院で診てもらっても全然良くならないけど、どうすればいいか」という、お門違いの相談でした。

占った限り、確かに呼吸器に難ありとは出ているのですが…。

(う~ん。お医者さんでもないし、占いでは気をつけてくださいとは言えても、病気を治すことはできないし…困ったなあ)

「看板のきららさんの顔写真を見て、何かピンとくるものがあって、ひょっとして、この方なら腕のいいドクターを知っているんじゃないか?と思って…」

「お客さまにお医者さんはいらっしゃますが、呼吸器の専門医は…」

お孫さんはひとり。
まるでお孫さんの喘息が自分の責任のように元気がありません。

そこで以前、三浦半島からお見えになったお客さまとの会話(=「漁師は肺と皮膚が強い」と自慢するので、「どうして?」と聞いたところ、「肺は潮風を吸っているから、皮膚は海水を浴びているから」)を思い出し、その話をしたところ、「なるほど!ありがとう」と言って、挨拶もそこそこにお帰りになりました。

3ヶ月後。

「この前はありがとう。きららさんの話を聞いて一家全員、湘南に引っ越しました」

「エッ!」

そういえば以前より日焼けしていますが、わたしのひと言で都内から湘南に引っ越しとは、責任を感じずにはいられません。

「すべては孫のためです。いいですよ、海は。毎日、孫と一緒に海岸を散歩していますが、爽快です。孫の喘息も少しづつ良くなっている感じです」

そう言われても、わたし自身が半信半疑。
でも、良くなったのなら、少しはお役にたったのかも…。

それ以来、Wさんは毎年数回、湘南から足を運んでくれているのですが、今日は、お孫さんが晴れて高校入試に合格したという報告です。

「きららさんのひと言には助けられました。孫も今は喘息の『ぜ』のカケラもない健康優良児。一緒に海岸を歩いたお陰でわたしまで健康になって…。海は母というけど、ホント潮風は偉大だよ!」

潮風に感謝!

きらら(3/25)