「こうと決めたら女は黙って勝負する!」

まるでピンクの絨毯。

川面にびっしりと桜の花びら。

春の神田川は幻想的です。

Fさんは愛知県からのお客さま。
新幹線で約2時間とはいえ、わざわざのご来館。
感謝の一語に尽きます。

「春休みになったら来ようと、ずっと楽しみにしていました。やっと念願叶って、きらら先生に会えました」

「ありがとうございます。そんなに言って戴けるとわたしも張り切っちゃいますwww」

4月から大学3年生。
将来の進路についての相談です。

「わたし自身、やりたいことがいくつかあって迷っています。両親は何でもいいから好きなことに打ち込めって言ってくれているのですが、それがかえって重荷になって…。どんなお仕事が向いているのか、占って欲しいのです」

こぼれるような笑顔の20歳。
無限の可能性を秘めた「若さ」は何にも勝る宝物。
羨ましい限りです。

生年月日をお伺いして鑑定開始。

「あなたは知的で行動的。何事にも正面からぶつかる独立独歩の人です。職業で向いているのは、一に芸能関係、それも女優さん。二に弁護士、公認会計士などの自由業。――とにかく組織の一員として型に填まった仕事は苦手だわね」

「うわっ。すごい!――大学は法学部で、司法試験を受けようと思っています。それにクラブ活動は、高校時代からですが、ずっと演劇部でお芝居に励んでいます」

「女優と弁護士。――異色の組み合わせだけど、あなたはすごくクレバーだし、Fさんならできると思います。あと、絵を描くのが得意じゃない?」

「えっ。そんなことまで分かるんですか。小学生の頃から絵画教室に通っていましたし、高校時代は全国コンクールで賞をもらったことがあります」

「夢があっても色んな理由で、断念しなければいけない人が多いのに、恵まれた環境で学生生活を送れることに感謝して、今まで以上にしっかり勉強してください。強い信念と弛まぬ努力があれば、必ず夢は叶いますよ」

「間もなく人工知能(AI)全盛の時代になりそうなので、それに備えてコンピューターにも興味があります」

「う~ん。色々なことに興味を持つのはいいことだけど、そっち方面はどうかな。器用なので、どんな分野でも、そこそこの水準に到達するけど、あんまり手を広げ過ぎると器用貧乏になっちゃうわよ」

「両親にも気が多すぎると、よく言われます」

「どちらも相当に努力しなければいけないけど、職業から見てもベストの女優と弁護士を目指してみては…」

「はい。あれこれ気を散らさないで目標に向かって頑張ります!――何だか気分がすっきりしたみたいで、ホント、きらら館に来てよかったです。ありがとうございました。――先生、握手してください」

こうと決めたら女は黙って勝負する!――ガンバレ、Fさん!

きらら(4/1)