「老婆、喜寿にしてアメリカ大陸に渡る!?」
先週は俳句でした。
今週はわたしの好きな短歌です。
『おりたちて けさの寒さを おどろきぬ
つゆしとしとと かきの落ち葉深く』
(伊藤左千夫)
秋空の下、横須賀まで出張鑑定に行ってきました。
向かった先は、10年越しのお付き合いのTさん宅。
Tさん「遠いところを足を運ばせてしまい申し訳ございません」
きらら「いえいえ、良いお天気だし、久し振りの京浜急行で気分爽快でした」
若かりし時にミス横須賀だったことを彷彿とさせる面立ちは、間もなく喜寿を迎えるとは思えない若々しさに溢れています。
Tさん「1ヶ月ほど前に階段で転んで骨折、大分良くなったのですが、まだ歩くのに不自由で、わざわざお呼び立てして…。そうそう、きらら先生からのお見舞いのお花、どうも有難うございました」
きらら「とんでもございません。一に健康、二に健康。早く良くなって、渋谷にも足を運んでください」
しばし、世間話に花が咲きました。
Tさん「ところで、今日お越し戴いたのは、ふたりの息子から『母さんももう歳だから一緒に住まないか?』という誘いがあって…」
きらら「息子さんはふたりともアメリカでは?」
Tさん「それも、上はニューヨーク、下はロスアンゼルス。この家は亡き夫との思い出がいっぱい詰まっているから離れたくないんだけど、ひとりで住むのも広すぎるし、今度みたいに怪我でもしたら、それこそ孤独死ということもあるかも知れず、いっそ元気なうちに息子のところへ行くのもいいかなって思って…」
きらら「以前、鑑定させて戴きましたが、Tさんと息子さんとの相性は、ふたりともバッチリですし、わたしは賛成です。ニューヨークとロスアンゼルスを往ったり来たり出来るなんて素敵じゃないですか」
Tさん「でも、英会話なんて片言しか話せないし、第一、この歳になって見知らぬ土地、それもアメリカに引っ越しするなんて大冒険。緊張の連続でノイローゼになるんじゃないかしら?」
きらら「大丈夫ですよ(笑)」
Tさん「もうひとつ心配なのが、兄弟ふたりとも嫁はアメリカ人だけど、果たして彼女たちと上手くやっていけるか、どうか?」
きらら「弟さんの奥さんは、以前帰国していた時に鑑定させて戴いたと思うのですが、確か、Tさんとの相性は、もし彼女が男性だったら『これ以上の組み合わせはない!と言ってもいいぐらいピッタリ!』と鑑定したような気がするんですが…」
Tさん「そうそう、そうだったわね。じゃあ、ロスアンゼルスに行こうかな(笑)」
きらら「お兄ちゃんの奥さんの生年月日はご存知ですか?」
Tさん「今晩にでも聞いておきます。それできらら先生の鑑定で、ニューヨークの嫁とも相性がピッタリと出たら、アメリカへ行くことにしようかな?(笑)」
きらら「『人生到る処青山あり』――“アメリカで第二の人生”なんて、羨ましい限りです。もし、わたしがTさんの立場だったら思い切って行っちゃいますよ(笑)」
Tさん「きらら先生とお話していると、不安いっぱいだったアメリカ行きもワクワクしてきました。――『老婆、喜寿にしてアメリカ大陸に渡る』――よし、今夜、ニューヨークの嫁の生年月日が分かったら、すぐに連絡しますからお願いしますね。でも、その前に足をしっかり治さなくちゃね!」
きらら「背中を押すのがわたしの占い師としての“使命”ですから…(笑)」
きらら(10/18)