「良い不倫、悪い不倫」2

1920-60-1酷暑の次は台風、今年の夏は厄介な天候の予感。
くれぐれもご自愛専一の程を。

さて、先週の続きです。

長い沈黙の時間が過ぎました。

きらら「ところで、その支店長は現在も在職中?」

Aさん「スイスイと出世して、現在は役員です。今は直属の上司でないので、顔を合わせることは滅多にありませんが、複雑な気持ちです」

きらら「辛い心中はお察ししますが、Aさんに離婚の意思はおありなんですか?」

Aさん「はい。今のような気持ちで、これからも妻と結婚生活を送るのは苦痛です」

きらら「正直なところ、占い師の立場から言って、あらゆる面で離婚には大賛成です。しかし、いざ離婚となると、これまで積んできた銀行でのキャリアが無駄になるし、世間的に固い職業と思われている銀行員として拙いのでは?」

Aさん「銀行員が固い職業だなんて、それは世間の誤解と錯覚ですよ(笑)。ウチにも、服務規程違反の“ドロドロ銀行員”は少なからずいますから…。確かに、今の銀行にずっと奉職するのなら離婚は減点ですが、離婚する時は、銀行を辞める時と覚悟していますから…。幸い外資系の銀行から誘いがありますから、再就職は大丈夫だと思います」

きらら「お子さんは?」

Aさん「妻がスンナリ手放すか、どうかは分かりませんが、出来ればわたしが引き取りたいと思っています」

きらら「それとBさんは、離婚後のあなたとの結婚に同意されているんですか?」

Aさん「正式なプロポーズはしていませんが、今の僕にとって、彼女は“心の妻”ですから、喜んで結婚に同意してくれると思います(笑)」

初めてAさんの顔に笑顔が浮かびました。

Aさん「ところで、子どもと彼女の相性はどうでしょうか?」

中学生という多感な年頃のお子さんだけに、心配するのも無理はありません。

きらら「あらあら、Bさんの方が、まるで本当のお母様と思えるほど格段にいいわね。なさぬ仲ではあっても、全然、心配要らないんじゃないかしら」

Aさん「そうですか。じゃあ、どんなことをしても子どもは引き取らなければ…(笑)」

きらら「言いにくいことですが、奥様に“別の男性”がいるような気配はありませんか?」

Aさん「ずっと、単なる“同居人”の関係でしたから、いてもいなくてもいいのですが、子どもを放りっぱなしで度々、外出しているようですから、いるかもしれません」

きらら「奥様には、“別の男性”がいらっしゃるはずですし、奥様の方も離婚を強く望んでいるような気がします」

Aさん「妻とはあっさりと結婚したのですから、離婚する時もゴタゴタせずに離婚したいものです(笑)」

きらら「奥さまは、家庭とか家族というものに執着するタイプじゃないので、案外スンナリと、離婚に同意するはずですよ」

Aさん「最後にもうひとついいですか。妻に離婚を切り出す時期は、いつ頃がいいですか?」

きらら「今年いっぱいから来年の2月(節分)までが絶好のタイミングです。それを過ぎると、ちょっとこじれるかもしれません。善は急げです」

Aさん「分かりました。早速、“離婚作戦”に取り掛かります(笑)。上手く話がまとまれば、その時は、彼女を連れてご挨拶にお伺いします。今日は、迷っていたわたしの背中を押して戴いて、ありがとうございました」

「不倫」といえば、一般的には、不道徳なこと、いけないこととされていますが、Aさんのような場合は、新しい人生を歩むための“良い不倫”と言っていいのではと、わたしは思っています。

きらら(7/20)