「ときめき貯金」

渋谷『さまざまのこと 思ひ出す 桜かな』(芭蕉)

満開だった桜の花も、ここ数日の雨と風で、少しづつ葉桜になりつつあります。

桜の花で思い出すのは――2年前の桜満開の時期。数ある占い館のなかで、わざわざ『きらら館』まで足を運んでくれたWさんのことです。

Wさんは、四国・K県在住の薬剤師さんです。

Wさん「初めまして。お電話で予約したWです。今日はよろしくお願いします」

春らしい色のワンピースにコート姿。笑窪がかわいい純朴な感じのお譲さんです。

きらら「渋谷は人通りが多くて大変だったでしょ。遠いところを『きらら館』にお越し戴きありがとうございます」

Wさん「偶々、ネットで『きらら館』を見つけて、先生の写真にビビッと感じるものがあって、是非、お会いしたいと思って飛んできました」

きらら「さあさ、くつろいでね。 珈琲、飲む?――Wさんは、東京へはよくいらっしゃるの?」

Wさん「高校の修学旅行を含めて、上京は2度目なんですよ。生まれも育ちも田舎町、まるっきりの“お上りさん”で、東京は別世界のようです(笑)」

きらら「『Wさん 遠方より来る』――今日は時間は気にしないでいいから、納得するまで聞いて帰ってくださいね。――お電話では結婚問題とおっしゃっていましたが…」

Wさん「実は今、両親、特に父が熱心に勧めるお見合い相手Aさんの許に嫁ぐべきか、つい最近、告白されたばかりのBさんと結婚するべきか、板挟みになって迷っています」

きらら「Aさんとお見合いはされたの?」

Wさん「会うだけでもいいからということだったので、お見合いはしましたが、全然ピンと来ないというか、むしろ嫌いなタイプの方でした。でも、Aさんは、代々の資産家として地元では有名な方の息子さんで、父はこんな良縁を断ったら、親子の縁を切るとまで言って大乗り気です」

きらら「Bさんとは、お付き合いしてるの?」

Wさん「まだお茶を飲んだり、お食事をする程度の仲です。Bさんとは、お勤めしている病院の同僚の紹介で知り合ったのですが、苦労して大学を卒業、現在は地元の製鉄会社に勤務しています。彼と会っていると、心がときめくというか、時間が経つのも忘れるほど楽しくて、できれば結婚したいなと思っています」

まずは、Wさんとおふたりの男性の生年月日をお伺いして、鑑定させて戴きました。

きらら「お父様は、親として可愛い娘の幸せを願ってAさんとの結婚を望んでいるのでしょうが、結婚するのはWさん、あなた自身ですからね。それを前提にしてお話しますが、ズバリ!あなたの結婚相手として“大吉”なのはBさんです」

Wさん「ワッ、本当ですか!嬉しい」

きらら「Aさんとの相性は60点、Bさんは90点です。しかし、相性が良いということだけで、幸せな結婚生活が送れるとは限りません。――長い人生には、晴れあり、雨あり、時には雷雨あり、台風ありです。晴れている時には、一時の気の迷いにしろ、打算によるものにしろ、一応は結婚したのですから、深刻な事態にはなかなかなりません。問題は、雨が降ったり、台風が来た時です。そうした場面に遭遇した時、寄り添い合い、力を合わせて乗り越えることができるか。それが『幸せな結婚』と『そうでない結婚』の違いであり、そして、その乗り越えるパワーの源泉となるのが、結婚前に経験した“ときめき”の大きさだと、わたしは思っています」

Wさん「わたし、決めました。帰ったら両親を説得して、Bさんと結婚したいって宣言します!」

きらら「但し、Bさんにとって最高の期は来年の5月以降です。Bさんとは、まだお付き合いを始めたばかりです。急ぐことはありません。来年までお互いの心の中に“ときめき”を一杯貯めれば、自然の流れで『結婚』というゴールに到達すると思いますよ」

Wさん「“ときめき貯金”ですね。分かりました。ありがとうございました」

喜び勇んでお帰りになったWさんですが、数週間後、再びの電話。――なんと、今度はご両親と一緒に上京、「きらら館」を訪問したいというのです。(続く)

きらら(4/6)

photo credit: Shibuya Crossing via photopin (license)

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