「“朋”あり遠方より来る」

旅館昨年の某月某日、終業直前の「きらら館」に電話が入りました。

Wさん「きらら先生? わたしよ、わたし!」

はて、さて?――親しみに溢れた声ですが、「わたし」だけでは、当惑するばかり。

きらら「はい。きららですけど…」

Wさん「お元気? Wよ、W、分かる? かれこれ10年近くになると思うんですけど、『Tホテル』の新年イベントで占ってもらったWです」

少しづつ思い出して来ました。

きらら「わあ、Wさん。お久しぶりです。お変わりありませんか?」

Wさん「あの時以来、ずっと会いたいと思っていたんだけど、どこへ連絡したらいいか分からなくて…。今朝、インターネットを見ていた娘が『いつもお母さんが会いたいって言ってる、きららさんって、この女性じゃないの?』って言うもんだから。どれどれって見たところ、きらら先生じゃないの! 矢も楯もたまらず電話した次第です」

段々と、当時のことを思い出して来ました。

きらら「本当にお久しぶりですね。確か、わたしと同い年で、お国は山形でしたよね?」

Wさん「覚えてくれていたんですね。昔も今もずっと山形よ。ひょっとして“幸せの神様”のお導きなのか(笑)、ちょうど来週、商用で上京するので、何が何でもお邪魔したいと思って…」

何年も前のことなのに、ずっと思っていてくださったなんて感謝感激です。

きらら「一度、鑑定させてもらった方のことは、なぜか、すぐに思い出すのが“特技”なんです(笑)。わたしも是非、お会いしたいと思います」

Wさん「きららさんにお会いしたのは、婿養子だった夫と離婚、途方に暮れていた折でした。中学生と小学生、2人の子どもを抱えて、家業の旅館をどう切り盛りしていいか分からなくて、廃業しようか、どうか迷っていた時に観てもらったのですが、きらら先生は『廃業するなんて考えず頑張ってください。今年の秋頃までは苦しいでしょうが、それを乗り越えれば徐々に良くなります。あなたなら出来ます。悲観は禁物です。雑音を気にせず、おもてなしの心を大切に、自信を持って“女将業”に邁進してください』って背中を押してくださって…」

きらら「そういえば、あの時は『細腕繁盛記』の話で盛り上がりましたよね(笑)」

Wさん「そうでしたね。――回りはみんな反対したけど、わたしは、きらら先生の言葉を励みに不眠不休で頑張りました。本当にきらら先生は“恩人”です。それなのに、長い間ご無沙汰してしまって申し訳ありません」

きらら「とんでもありません。みんなWさんの努力の賜物ですよ。ところで、お子さんたちは?」

Wさん「小さい旅館ですが、息子は料理長、娘は若女将としてわたしを助けてくれています。強い言葉で旅館を続けることを勧めてくれた」

親子3人、力を合わせて旅館経営に励む!――ほのぼのとした雰囲気が偲ばれます。

Wさん「長話はお邪魔だわね。積もる話はお会いした時にするとして、来週はたっぷりと時間を取ってくださいね。それじゃあ」

きらら「わたしも楽しみにしています」

まさに遠来の朋。――占い師冥利を実感させてくれたWさんからの電話でした。

きらら(2/2)

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