「時代が変われば人も変わる、人が変われば時代も変わる」

昭和「こんにちは。今日もまた、溜まった愚痴を聞いてもらいに来ましたよ(笑)」

“定番”の挨拶とともにお見えになったのは「きらら館」のお客様のなかで“最長老”のAさんです。
もうすぐ米寿。年齢を感じさせない溌剌とした立ち居振る舞いには脱帽!――Aさんの前では私も“鼻垂れ娘”です。

きらら「ご無沙汰です。お元気そうで何よりです」

Aさん「いつものように渋谷まで電車で来て、駅から歩いて来ました」

きらら「あらまあ! 今日はあいにくお祭りと重なったので大変な人出だったでしょう」

Aさん「終戦直後に乗った列車に比べれば、楽なものよ(笑)」

Aさんの話の“座標軸”になるのは、いつも昭和世代。それも私の知らない昭和の時代です(笑)。

Aさん「ねえ、聞いてくれる。――末の息子の娘が再来月、結婚式を挙げるんだけど…」

きらら「以前、鑑定させて戴いたお孫さんですよね」

Aさん「そう、そう。――きららさんの鑑定も相性ピッタリで、結婚には私自身も喜んでいたのですが、それがなんと、一昨日、おめでただったことが分かって…。結婚式の前に妊娠するなんて、そんな教育はした覚えはないのに御先祖様は何と言うか!――我が孫とはいえ、まったく何を考えているのか、私には理解できません!」

きらら「まあまあ。――確かに、今の時代、私たちの育った世代のから見れば『どうかな?』って思うことはたくさんありますが、それも時代の流れ。問題のある縁ならともかく、本人同士はもちろん、両家ともども喜んでいる結婚ですもの、いいじゃないですか(笑)。お孫さんのおめでただって、幸せがひと足先に来たぐらいの気持ちで接してあげてはどうですか。色々、言いたい事はあっても、目を吊り上げるのではなく、ここでこそ『じっと我慢のお婆ちゃん!』、反対に『おめでとう』って言うぐらいの度量を見せてあげて下さい」

A子さん「でも、流行りの言葉でいえば“出来ちゃった婚”でしょ。世間様に顔向けできないわよ」

きらら「もちろん世間体も大切ですが、それよりも大切なのは、これから新しい人生を歩もうとしている二人の幸せです。無責任な言い方かもしれませんが、少しだけ順番が違っただけで、目くじら立ててちゃ、産まれてくる曾孫さんに嫌われてしまいますよ(笑)」

A子さん「くどいようだけど、私たちの時代には、結婚前に子どもができるなんて、家名に傷が付くって、勘当ものだったのに!――それが、今では『家』より『個人』が大切だなんて、時代が変わり過ぎよ。そうでしょ、きららさん!」

きらら「『時代が変われば人も変わる。人が変われば時代も変わる』――寂しさはあるけど、仕方ないことよね。私たちだって、若い時には、当時のお年寄りからは同じように“白い眼”で見られていたのかもしれませんよ(笑)」

A子さん「そうかもねえ」

きらら「『バトンは次代を担う若者に』――あんまり小言ばかり言ってると、“意地悪ばあさん”って仇名を付けられちゃいますよ(笑)」

その後も話題は転々。呵々大笑、仕事を忘れて大老婆と小老婆、ふたりの昭和談義は延々2時間。珈琲の飲み過ぎでお腹はタボタボです(笑)

きらら(10/26)

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