「我は我なり、他人は他人なり、されど仲良く」

コスモス予約時間より20分も早くお見えになったCさん。いつものこぼれるような笑顔がありません。

Cさん「やっぱり、先生のおっしゃる通りでした(嘆)。もう息子家族との同居に我慢できません!」

以前、お見えになった時は「老後のことを考えて、息子夫婦と一緒に住むことになりました」って嬉しそうにお話しされていたのに、一体どうしたのでしょうか。

Cさん「先生、聞いてくださいよ!」

ここからはCさんの独壇場です。

Cさん「化粧は厚いし、カネ遣いは荒いし、あんな嫁だったとは思いませんでした。炊事、洗濯は、ほとんど私に押し付けて、自分はママ友たちとお茶会に出掛けたまま夕方まで帰って来ないし…。孫たちの育て方に少しでも注意しようものなら、『昔と違うんだから、あれこれ言わないでくれ』って、鬼のような顔で食ってかかってくるんですよ(怒)。他人が見たら老人虐待ですよ。そんな嫁にも、情ないことに息子は見て見ぬふり。しっかりと尻に敷かれてしまって何にも言えないんですから(怒)。私の方から同居を頼んだわけでもないのに、『今の家賃がもったいないし、お母さんも寂しいでしょうから』なんて、最初は親孝行満々のしおらしい態度だったのに3ヶ月も経たないうちに豹変。今では、私に出て行けと言わんばかりの態度で、些細なことで毎日のように衝突しています(怒)。孫は可愛いのですが、嫁の顔を見るのも嫌で嫌で…もうノイローゼになりそうです」

一気に喋って落ち着いたのか、冷めた珈琲を口にしました。

Cさん「息子夫婦との同居を占ってもらった時に、先生から『お嫁さんとの相性がよくありません。でも、お嫁さんの性格を思い通りに変えることはできませんから、同居するなら、Cさん自身が変わらなければ』って言われたのに、まったくその通りになってしまいました」

嫁と姑――よくある話です。

きらら「いくらお嫁さんとウマが合わないからと言っても、そんなお嫁さんを妻として選んだのは、Cさんが産んで育てた息子さんですよ」

Cさん「そりゃあ、そうですけど…。今後どうすればいいのでしょうか?」

きらら「息子さんや嫁さんと仲良くしようなんて思うからいけないんです」

Cさん「でも、同じ屋根の下にいるのに、今さら…」

きらら「Cさん自身が、何だかんだと言いながら、息子さん夫婦に構いすぎるから衝突するんじゃないですか?(笑)」

Cさん「そんなつもりは無いんですけど…」

きらら「いっそ息子さんたちのことなんか忘れて、思い切って残された人生を自分の好きなように生きてみてはどうですか?――炊事、洗濯をはじめ、お孫さんの面倒も、嫌な時は嫌だって、はっきり断ればいいんです。それを内心穏やかざるまま、無理にやってしまうから波風が立つんです。今、大切なのはCさん自身が幸せになることです。Cさんが幸せになって、活き活きしてくれば、息子さん夫婦もきっと変わりますよ。Cさんがしかめっ面をしている限り、悪循環の繰り返しです。良い意味で、我儘に生きてみてはどうですか。それが年寄りの“特権”です。もうすぐ『敬老の日』です。『これからは自分の好きなように生きますから、あなたたちもしっかりやるのよ』って“宣言”してみてはどうですか?(笑)――『我は我なり、他人は他人なり、されど仲良く』よ!」

きらら(9/15)