「長い人生、最後はやっぱり人間性よ!」
きらら「ようこそいらっしゃいました。暑くなったわね。スリランカのお客様からプレゼントされた美味しい紅茶があるけど召し上がる?」
什器デザイナーのFさんは28歳。笑窪がかわいい魅力的なお譲さんです。
相談事は「結婚」です。
Fさん「実は現在、ふたりの方からプロポーズされているのですが、どちらの方と結婚すべきか、迷っています。ふたりとも同じ34歳で、ひとりは大学の先輩Aさんで、もうひとりは友人に紹介されたBさんです」
ご自身の生年月日と、ふたりの生年月日を書いたメモをはきはきと読み上げます。
きらら「あれれ、AさんとBさんの性格は、まるっきり逆だわね」
Fさん「そうなんです。A先輩は、よくいえば楽天家です。とっても気前が良くて、今までコーヒー代や食事代はもちろん、何も言わなくても、誕生日やクリスマスには、しっかりプレゼントしてくれるし、私のことをとっても大事にしてくれるんです。でも、そんな性格ですから、貯金はふた桁以下。将来、こんな“極楽とんぼ”のような彼と一緒になって幸せになれるのか、考えてしまいます」
きらら「占いでも、ちょっと慌てん坊だけど、好きになった人にトコトン尽くす純粋な心の持ち主って出てるわね」
Fさん「一方のBさんは、ひと言でいえばケチ。口では何度も『プレゼントするね』って言いながら、今まで貰ったのは安物の扇子1本だけ。何処へ出掛けてもワリカンが当然と思ってる、嫌らしい言い方ですが『お金の権化』です。それだけに、ローンですが、マンションも持っているし、車も、Aさんは自転車なのに、こちらは外車。見たことはありませんが、貯金も四桁近くあると思います」
片や、「明日は明日の風が吹く」とばかりのAさん、片や堅実すぎるBさん。――何から何まで正反対です。
きらら「あなたは、どちらの方と結婚したいの?」
Fさん「う~ん。両親や友だちは、Bさんを勧めるのですが、私はAさんの優しさも捨て難いし、Bさんのしっかりした人生設計も魅力だし…。きらら先生はどう思われますか?」
きらら「長い人生、おカネも大切だけど、最後はやっぱり人間性よ。――ズバリ言って、私なら、迷わずAさんを一生の伴侶とするわね。デート代をワリカンにしたり、口約束だけのプレゼントで平気なBさんは、占いでも、合理的なしっかり者に見えても、おそらく会社では信用されていないし、心を許せる友だちも少ないと出てるわ。家や車なんて、ふたりで力を合わせて頑張れば何とでもなるじゃない。通帳の0が少なくても、人間としての魅力が、Bさんより遥かに大きいAさんの方が、私はお奨めだわね。ふたりの相性も◎だし、少々、頼りない分はあなたがしっかり手綱を引き締めればいいのよ(笑)。内心はあなたもAさんに魅かれてるはずだけど…?」
Fさん「怖いなあ。図星です(笑)」
きらら(7/14)