「三つ子の魂 百まで」

両手を合わせるとらちゃん春は一瞬。
満開だった桜もあっと言う間に花吹雪になってしまいました。

先週、頭に桜の花びらを乗せたEさんが、ママになって初めて顔を見せてくれました。

Eさん「すっかりご無沙汰してしまいました。早くきらら先生にお披露目しようと思っていたのですが、寒い日が多くて、ついつい遅くなってしまいました」

腕の中には大きな目を開けたAちゃん。
背中にはおむつや哺乳瓶を入れたリュックサック。
“お母さんルック”がすっかり板に付いています。

きらら「ま~っ、可愛いわね~!ちょっと抱っこさせてよ」

Eさん「Aちゃん、あなたに名前を付けてくれた“お婆チャン”ですよ~」

きらら「ハイハイ、お婆チャンですよ。あらあら、笑っちゃって。美人になるわよ、この子は」

Eさん「みんなはパパ似だって言うんですが、私に似てるわよね、先生!」

きらら「そうねえ、目の辺りはあなたに似てるけど、輪郭はパパに似てるし……ふたりの愛の結晶なんだから、どっちに似ていようと、理屈抜きの愛情を注いで、大事に育てなきゃ」

Eさん「パパと結婚する前にも、この子がお腹にいる時にも、親身になって相談に乗ってくれた先生の教えですもの。『三つ子の魂 百まで』ですよね。しっかりと育てます」

きらら「子どもにとって三歳までが一番、急速に発達する時期なんだから、時代がどんなに変わろうとも、子育てに手抜きは禁物よ」

Eさん「一生懸命頑張ります」

きらら「『三つ心・六つ躾・九つ言葉・文(ふみ)十二・理(ことわり)十五』……習い事なんか慌てなくていいのよ。英会話だ、バイオリンだって目の色を変える前に、まずは『心』を育てること。そのためには両親の愛情が絶対の“肥料”なんだから」

Eさん「はい。それともうひとつが、子どもの前ではケンカしないことですよね」

きらら「そうよ。ケンカする時は、多摩川の土手に行って二人だけでお願いしますよ(笑)」

Eさん「あらあら、Aちゃんったら、他の人なら抱っこされても寝ないのに、きらら先生だと、しっかり眠っちゃってるわ」

きらら「自慢じゃないけど、子育てにかけては一家言あるベテランですから……(笑)」

Eさん「さあ、Aちゃん、そろそろ帰りますよ。“渋谷のお婆ちゃん”にバイバイしましょうねぇ。どうもありがとうございました」

『桜花 散り交うなかで 手を振りて』…心を癒された午後のひと時でした。

きらら(4/7)