「大先輩の忠告!?」

お雛様♪♪ 灯りをつけましょ ぼんぼりに
お花をあげましょ 桃の花 ♪♪

今日は桃の節句、女の子の節句です。
おひな様を飾り、お供えはひし餅、白酒、あられ…。

母手作りのチラシ寿司を頬張って浮き浮き。
せっかくの着物にお吸い物をこぼして大目玉。
半世紀以上も前のなつかしい思い出です。

さて、ひな祭りといえば、思い出すのがニューヨーク在住のN子さんのことです。

N子さんと初めて会ったのは5年前の3月3日。
帰郷した際の電車で反対側の席に座っていたのが彼女でした。

とっても感じのいいお嬢さんで、聞けば彼女の出身も私と同じ信州。
最初はありきたりの会話だったのですが、格別に波長が合ったのか、大月を過ぎたあたりからは、十年来の知己の会話になっていました。

N子さん「今日は父の友人が紹介してくれた方とお見合いするための帰郷なんです。仕事にも慣れたし、私はまだまだ東京で頑張りたいから、その気はないのですが、会うだけでもいいからって言うから、渋々、帰ってるんです(笑)」

きらら「そうなんだ」

N子さん「はい。もちろん結婚はしたいけど、私はもう少し先かなと…」

きらら「でも、結婚は縁談というように、いくら自分が結婚したいと思っても相手があっての話よ。せっかくお父様たちが骨を折ってくれたんだし、お見合いする前からNOの結論を出すのは早すぎるんじゃないかしら。…今、お付き合いしている人はいるの?」

N子「いません」

きらら「それじゃあ、お会いする前から先入観を持たないで、素直な気持ちでお見合いしてみたら…」

N子さん「そうですよね。分かりました。人生の大先輩の忠告ですから…(笑)。お見合いの結果はまた東京へ帰ってから報告しますね」

きらら「大先輩じゃなく“先輩”ぐらいにしてくれるかしら(笑)…これも何かのご縁。報告待ってるわ。はい、これが私の連絡先よ」

N子さん「ワッ、占いの先生ですか?…心強い味方になってくれそうな気がします。是非、是非、お伺いします。…それじゃあ、私はここで降ります。…来週、東京でお会いできる日を楽しみにしています。失礼します」

翌週、約束通り、お見合い結果の報告のためにN子さんが「きらら館」を訪ねてくれました。(来週に続く)

きらら(3/3)