「祝婚歌」

二人が睦まじく いるためには 愚かでいるほうがいい
立派すぎないほうがいい
立派すぎることは 長持ちしないことだと 気付いているほうがいい
完璧をめざさないほうがいい
完璧なんて不自然なことだと うそぶいているほうがいい
(略)
正しいことを言うときは 少しひかえめにするほうがいい
正しいことを言うときは 相手を傷つけやすいものだと 気付いているほうがいい
(以下略)

結婚指輪これは山形県出身の詩人で先月15日に亡くなった吉野弘さんの「祝婚歌」という詩です。この詩を目にする度にF恵さんのことを思い出します。

彼女が初めて「きらら館」に見えたのは丁度2年前の今頃でした。
その後も何度か足を運んでくれていたのですが、その日は、どことなく元気のない顔でした。

きらら「深刻な顔をしてどうしたの? まあ、熱いコーヒーでも飲んで落ち着いて~~」
F恵さん「今日は、結婚したいと思っている彼との相性を鑑て貰いたいのですが…」
きらら「彼の生年月日を教えてくれるかな」

F恵さん「どうですか?」
きらら「ちょっと待ってね。…うわ~っ!…良いじゃない!…私は大賛成よ。…滅多にないほど最高にぴったりよ!…一生を通じてあなたを幸せにしてくれる三国一の花婿さんよ」

F恵さん「でも私の両親が、彼との結婚に反対なんです」
きらら「何言ってるの?…結婚するのはあなたでしょ!…肝腎な時に思い切って決断できないのがあなたの欠点よ。こんな素晴らしい縁を逃がしたら一生、後悔するわよ」

F恵さん「でも、両親が~」
きらら「何度も言うけど、結婚するのはあなた自身よ。そんな弱気でどうするの。…彼のご両親はどうなの?」

F恵さん「彼の方は、お父様もお母様も、それにお婆ちゃんまでが大賛成で、是非お嫁さんに来てほしいって…」
きらら「それなら尚更のこと。もう一回、彼とふたりで説得して、それでも反対するようなら、駆け落ちでも何でもすればいいじゃない」

ちょっと熱心に言い過ぎたかなとも思いましたが、その1ヶ月後のことです。
ニコニコ顔のF恵さんが、彼とふたりで見えました。

F恵さん「説得の甲斐あって両親も賛成してくれました。今日は先生に彼の紹介も兼ねて、婚約の報告に来ました。本当にありがとうございました」
きらら「おめでとう。…私の思った通りの良い彼じゃない。…彼女のこと、私からも宜しくお願いしますね」

F恵さん「そこでお願いがあるのですが、きらら先生に来賓として結婚式に参列して戴きたいのです。彼も是非と言ってますから、お忙しいでしょうが、宜しくお願いします。日取りが決まったら、改めてお知らせします」

F恵さんの結婚式で、御親戚の方が読んだのが冒頭に書いた「祝婚歌」です。

きらら(2/10)

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