「岩谷時子さんを偲んで」

wifiing in the lobby imperial hotel tokyo 帝国ホテル teikoku作詞家の岩谷時子さんが、先月25日に肺炎のためお亡くなりになりました。

岩谷さんとお会いしたのは10年ほど前でしょうか、帝国ホテルで開催された「新年占いイベント」でした。

「どうかよろしくお願いします」

私のブースに、少女がそのまま年齢を重ねたような感じの、とっても上品な“お婆さま”がお座りになりました。

お顔を拝見した時は、岩谷さんとは気が付きませんでしたが、「もう残り少ない人生だけど、健康運を鑑てくださいますか?」と名刺を戴いたときに、初めて(あっ、あの有名な作詞家の岩谷さんだ!と)気がつきました。

最初はやや固い表情だった岩谷さんでしたが、鑑定が始まると徐々にリラックス、おっとりした優しい言葉遣いで順調に会話が弾みました。

ひと通りの鑑定が終った後、私が、ファンだったコーちゃんこと越路吹雪さんのことを話題にした途端、それまで多弁ではなかった岩谷さんが、(初対面にもかかわらず、よほど波長が合ったのでしょうか?)越路さんとの出会いなど若き日の逸話の数々を、まるで娘に諭す母親のようにあれこれ話してくれました。

その他、宝塚歌劇団時代のこと、「愛の賛歌」「サン・トウ・マミー」の訳詞のこと、作詞した「恋のバカンス」「君といつまでも」のこと、それまで七五調だった歌詞を自由に書いた背景など、色々なことを偉ぶることなく話してくださったことをついこの前のことのように思い出します。

『♪♪ あなたの燃える手で わたしを抱きしめて~~♪♪』

みずみずしい感性で昭和の歌謡史に燦然と輝く足跡を残した“巨匠”=岩谷時子さんのご冥福を心からお祈り申し上げます。

きらら(11/4)