「品性を磨く」

In the Ginkgo Forestいつもは明るい声で「こんにちは~」って飛び込んでくるW子さんが、今日はどこかしら深刻な顔で訪ねてきました。
彼女は現在、2年近くお付き合いしてきた彼と婚約中。再来月に結婚式を挙げる、とっても気立ての良いお嬢さんです。

きらら「どうしたの、冴えない顔して。彼と喧嘩でもしたの?」

W子さん「喧嘩したわけでないけど、今日、彼に『もっと品性に磨きをかけろ』って言われて。よく上品とか下品とかいうけど、そもそも品性って何ですか?」

きらら「そうねえ。言葉で説明するのは難しいけど、他人を誉める言葉には、たとえば美人だとか、可愛いとか、他にはスタイルがいい、優しい、性格がいい、頭がいい、仕事ができる、博識だ、教養があるetc色々あるけど、それらはみんな“部分的な評価”よね。でも、品性というのは、そうした要素を越えた“人格全体”に対する総合的な評価だと思うけど」

W子さん「何となく分かるような気がしますが…」

きらら「美人でなくても品のある顔もあるし、品のいい美人もいれば、美人でも品のない人もいる。つまり品性というのは、その人の内面からにじみ出るものじゃないかしら」

柄にもない“哲学的な話”になってきました。

W子さん「でも、それって努力で身に付くものなんでしょうか?」

きらら「合ってるか、どうか分からないけど、品性は知性・感性・思いやりの3つに“因数分解”できるような気がするの」

W子さん「ワーッ、難しいなあ」

きらら「まず、知性というのは自分を磨くための勉強、努力よね。何でもいいから、これだけは他人に負けないという自信を持てば、おのずと人格はもちろん、立ち居振る舞いにも深みが出て来るはずよ。ふたつ目の感性は、自然界の命あるものに対し、奢ることなく、慈しみの気持ちで接することを心掛け、そして三つ目の思いやりは、読んで字の如く、常に相手の立場に配慮し、心配り、気配りを忘れない。――つまり、この三つの要素が、うまく調和することで形成されるのが品性だと思うんだけど…」

W子さん「大変そうだけど、とにかく彼のリクエストに応えるためにも頑張ります。だって、彼のこと大好きですから」

きらら「どうもご馳走さま(笑)」

きらら(8/5)