Y先生の「宿題」

薬時事評論家として時折、硬派のTV番組にも出演されているY先生が久し振りに訪ねて来てくれました。
数年前に某ホテルのイベントで、お客様として鑑定させて戴いて、以来5年余りのお付き合いです。

Y先生の場合、お見えになっても、自分自身のことで何かを鑑定して欲しいというのではなく、先生の事務所にお勤めの女子職員の「お見合い相手」の鑑定がほとんどです。

ご自身にお子さんがいらっしゃらないせいでしょうか、「あの娘の結婚相手は私が決めるんだ」とばかりに、まるで実の父親以上のように必死になっている様子は、およそTVで観る先生とは、まったくの別人。微笑ましくもあり、可愛くもあり、(失礼ながら)滑稽でもあります。

そのY先生の最近の主張は「国民皆健康制度不要論」。――その日も、ひと通りの鑑定が終った後、私を聴講生にした“講義”が始まりました。

Y先生「きららさんは、TPP参加によって国民皆健康保険制度が崩壊する?という話を聞いたことがあるでしょ」

きらら「ええ、何かの雑誌で読んだことがあります。健康保険は大事な制度だし、それが無くなったら困るなと思った記憶があります」

Y先生「保険のお蔭で医療費が安く済んでいると思っているから、そう考えるんだろうが、それが間違いなんだよ」

きらら「エッ?」

Y先生「だってそうでしょ。毎月毎月高い保険料を払ったうえに、医者にかかればさらに2割か3割の医療費を支払っている。しかも、高度先端医療の多くは保険適用外なんだから、おかしいだろう」

きらら「言われてみれば、なるほどとは思うんだけど、でも健康保険がなくなると、イザという時に、全額払わなければいけないでしょ。それじゃ困りますよ」

Y先生「本来、医療費は全額、自分で負担するのが当り前だ。だから、健康保険に替わる、そのための保険も自由化にされるべきなんだよ。そもそも、診察費も薬代も入院費も全部、自由競争にすれば、ダメな病院は淘汰されるし、医療費も確実に安くなるのは間違いないことなんだ」

きらら「正直、分かったような、分からないような…。でも、Y先生がおっしゃるようなことは誰も口にしませんね」

Y先生「そりゃあ、そうだろう。国民皆保険制度が無くなったら困る人たちが、この国には一杯いるからねえ(笑)」

きらら「誰ですか、困る人って?」

Y先生「ムフフ。今度来るまでに考えといて(笑)。今日はきららさんの顔を見て、また元気を貰ったよ。じゃあね」

是非とも聞きたかった「答」を言わぬまま、Y先生は颯爽とお帰りになりました。

きらら(7/28)

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