「輪廻転生」

千佛寺一角先月某日、“珍客”というべきか、関西の由緒あるお寺で副住職を務める若いお坊さんが「占って欲しい」とお見えになりました。

これまで色々なお仕事の方の訪問を受けてきましたが、お坊さんは初めてです。内心はちょっとビックリしたものの、勇気を奮って?鑑定を始めました。

副住職の相談は、現在お付き合いしている女性との結婚についてのものでした。

きらら「この方は、珍しいくらい相性がピッタリの三国一の花嫁ですよ。住職であるお父様が反対していることで躊躇していらっしゃるようですが、結婚するのはあなた自身です。無理にバタバタしなくても、あと3ヶ月もすれば、お父様の考えも変わります。仏の道に仕える方に対して生意気な言い方ですが、この女性を諦めたら、あなたはお爺ちゃんになるまで(笑)独身かもしれませんよ。早くお孫さんの顔を見せてあげるのも親孝行です」

副住職「そうですか。ホッとしました。普段は檀家の皆さんに偉そうなことを言っているくせに、いざ自分のこととなったら、なかなか決断が出来ないものです。しかし、きらら先生に背中を押していただいたことで、何かスッキリしました。迷わず、自信を持って、彼女との結婚に邁進します(笑)」

にっこり笑った副住職の顔は実に爽やかでした。

きらら「ところで、どうしてまた『きらら館』に?」

副住職「きらら先生のことは『YAHOO!占い』で拝見していたのですが、是非一度お会いしたいと思い、上京のついでに寄らせていただきました。ところで唐突な話で恐縮ですが、きらら先生は『輪廻転生』、つまり『人は死んだら何か他の生き物に生まれ変わる』ということを信じますか?」

きらら「そうねえ。人それぞれ考えがあるので一概には言えませんが、私自身はお釈迦様の言葉通り『生まれ変わりはない』と思っています。だって、そもそも『輪廻転生』は、古代インドのヒンズー教の考えであって、『色即是空』――お釈迦様は『人間は死んだら何も残らない。すべては無だ』と言っています」

副住職「私の宗派も、少数派ですが、『輪廻転生』を否定しています。もともとヒンズー教徒だった釈迦が、その“改良型”として確立したのが仏教ですものね。――でも、嬉しいなあ。占ってもらいに来たところで“縁結びの神”と“同志”に出会えるなんて!!――今度、上京する時には彼女も連れて来ますから…」

妙なところで意見が一致しました。が、それはさておき――「きらら先生、彼女と婚約しました」――副住職さん、お盆明けの“吉報”を待っていますよ。

きらら(6/10)