MIT留学生が占い教室に ‐②‐

divination(前回の続き)

F君の独演を聞いてばかりでは先に進めません。

きらら「四柱推命では、その名の通り『四柱』、つまり年柱・月柱・日柱・時柱の4つの柱に分け、この四柱に干支(えと)のひとつを当て嵌めて、その人がどのような星の力で運命づけられているかを推し測ります」

F君「12種類の干支は分かりますが、これに10干を組み合わせた60干支となると、もうお手上げです」

きらら「でも、これを知らないと四柱推命はもちろん、算命学、九星気学もできないわよ。つまり、陰陽、5行、10干、12支に(九星気学の)8つの方位と9つの色と数字を組み合わせて出来上がったのが『易』というわけね」

F君「5行の相生、相克について、もう少し教えてください」

きらら「5行というのは、さっきも言ったように、5つの惑星(水星・金星・火星・木星・土星)とそれに対応した5つの物質(水・金・火・木・土)のことだけど、この5行はお互いに対立(相克)したり、助け合って(相生)万物を形成していると考えるの」

F君「なるほど」

きらら「まず、『相生』についてから始めるわね。5角形の形に置いた木→火→土→金→水を時計回りに見ると、は燃えて火になり、は燃えた後に土となり、は山を形成し、その中から金(金属)を産出し、はその表面に水を溜め、が木を成長させる、という風に考えるの」

F君「なるほど、なるほど。言われてみれば、その通りですね」

きらら「次に『相克』は、さっきの木→火→土→金→の5角形で、それぞれの角度から引ける対角線、たとえば金→木は、金が木を切り倒し、水→火は、水が火を消し、火→金は、火は金を溶かし、土→水は、土が水の流れを堰止めるという風に考えるわけ。まあ、このあたりのことは大抵の占いの本には載ってるから、アメリカへ帰ってしっかり勉強してね!」

F君「次に10干、12支についてもお願いします」

きらら「10干というのは、甲(きのえ)乙(きのと)丙(ひのえ)丁(ひのと)戊(つちのえ)己(つちのと)庚(かのえ)辛(かのと)壬(みずのえ)癸(みずのと)のこと。つまり天の5行と地上の5元素に『え』(陽)と『と』(陰)をそれぞれ付けて合計で5×12=60のパターンを形成し、この60個の『10干12支』が、60年(還暦)の周期で暦を繰り返すと考えるの。兵庫県西宮の甲子園球場の由来も、完成したのが1924年(大正13年)、「甲子」の年だったからなのよ。そして12支は、漢字はちょっと違うけど、みんなが知ってる子・丑・寅・卯・辰・巳・午・未・申・酉・戌・亥。いわゆる『エト』のことよ」

F君「10干の甲、乙、丙、丁、戌ぐらいまでは読めるけど、それから後は学校では習わなかったなあ(笑)。今日は面白かったなあ。日本には明後日までいます。明日も来ていいですか?」

当教室初のMIT留学生は、次の日もたくさんの質問を抱えてやってきました。(続く)

きらら(2/11)