「経営の才能は天賦のもの」

先日、瀬戸内地方で躍進著しい某社の創業者・Nさんが、久しぶりに「きらら館」にお見えになりました。2年前にある方の紹介で、お目にかかった時の肩書は「社長」だったNさんでしたが、新しい名刺には「会長」とありました。
時候の挨拶もそこそこに、開口一番、Nさんの“独演会”が始まりました。

「いやあ、すっかりご無沙汰してしまいました。早く報告をしなければと思いつつ、多忙にかまけて今日まで延び延びになってしまいました。申し訳ありません」
「私が一線を退いて、後継を長男にしようか?二男にしようか?――きらら先生に相談するためにお伺いしたのは2011年の2月でした」
「私自身、内心では長男を次期社長にと決めていたのですが、ちょっと心に引っ掛かるものがあって、ならばと家内の友人の強い勧めで(私は半分は気休めのつもりだったのですが)きらら先生に観て貰おうということになり上京しました」
「『ご長男では会社は長く続きません。是非、二男の方に譲るべきです』――きらら先生の鑑定は実に明快でした」
「あの時は『何を適当なことを言って!』と正直なところムッとしたのですが、その理由を問うたところ、『経営の才能があるか、ないかは生まれた時から決まっています。大学の経済学部や商学部を出たからとて経営者になれるものではありません。スポーツ選手、芸術家、俳優などと同じで、経営の才能は先天的なものです。親の願望だけで、経営の才能がない者が跡を継ぐと折角の会社を潰してしまいます。ご長男は教育関係のお仕事にはピッタリなのですが、残念ながら経営の才能はありません。多分、ご本人も心の底では跡を継ぎたくないと思っているはずです。反対に二男の方はお金儲けのために生まれてきたような強い星の下に生まれています。会社の隆盛を願うなら是非、二男を後継者に据えるべきです』というものでした」
「半信半疑のまま帰郷、会社に戻って長男の胸の内を聞いたところ『親父には申し訳ないが、会社は継ぎたくない。出来ればもう一度、大学に戻って研究者の道を歩みたい』と、きらら先生とまったく同じ答が帰って来るではありませんか。あの時のビックリした気持ちは今もハッキリと覚えています(笑)」
「その後、長男は会社を辞めて大学に戻り、現在は地元の大学で教鞭をとっています。ええ、昨年末に、私は会長に退き、二男を専務から社長に昇格させました。きらら先生のアドバイス通り、新社長の評判は上々で、取引先も増えつつあります。ひょっとしたら私よりやり手かもしれません(笑)」

私はただ頷くだけ。予定では2時間だった“鑑定時間”は、あっという間に完全にNさんの“ワンマンショー”で終了しました。

先週は北海道から、そして今回は東北からの嬉しい報告。――まさに占い師冥利に尽きる至福の2時間でした。

きらら(1/21)